『つぎはぎだらけの脳と心』
つぎはぎだらけの脳と心―脳の進化は、いかに愛、記憶、夢、神をもたらしたのか?posted with amazlet at 10.01.23デイビッド・J. リンデン
インターシフト
売り上げランキング: 2347おすすめ度の平均:詳細で専門的説明の良質な書籍。一般読者が全て理解して読むのは少し難しいか
おバカな人間の素晴らしさ!
世の中、脳科学ブームらしく、本屋に行くと関連書籍がずらりと並んでいる。脳トレとか茂木健一郎系のテキトーな本が多い中、この本は実際の研究に即して科学的に解明されている部分と、あくまで考察に留める部分とがきちんと仕分けしてあり、よくできた本だった。
脳の情報操作(錯覚・捏造・思い込み)や共感覚の話が特に興味深い。自分は神秘主義や宗教妄信者に対してついつい拒絶反応を示してしまう悪い癖だけど、こういうメカニズムを知っていると、より寛容になれると思う。また一方で、絶対的に正しいと思っている(思い込んでいる)自分の知覚や意識もまた、脳という不完全な情報処理機構が作り上げた妄想の産物だったりするので、謙虚にならなければならない。
「愛とセックス」の章は、過激な研究を超マジメに紹介してるのでわろた。脳機能学者たちは日々、こんなおもろいことを研究しているのだな!
まだまだ脳の機能はごくごく一部しか解明されていないけど、こうして少しづつ謎が解き明かされていくのが楽しみ。今後の研究の進展に期待。