『アフリカ 苦悩する大陸』★★★★☆

アフリカ 苦悩する大陸
ロバート ゲスト
東洋経済新報社
売り上げランキング: 4747
おすすめ度の平均: 5.0
5 アフリカについて知りたいのなら読むべき
5 アフリカの問題と可能性
5 アフリカの現状と展望を、独自の切り口から論じる点が新鮮な書籍
5 アフリカの可能性を伝える一冊
5 アフリカの多様性を教えてくれる

中途半端な援助は逆効果を生み出す。経済面で援助すればするほど、富が一部の腐敗した権力者に集中し、貧困格差が拡大して国はますます荒れる。日本のODAはその典型例。
武器貿易の実態についてはあまり触れず。アフリカに大量に武器を輸出し紛争を煽ってきたのが、国連を牛耳る常任理事国(米・ロ・英・仏・中)という現実。ソ連崩壊後のロシアから、イラク戦争後も米軍の残留兵器が大量に流れた。英仏からの輸出も増加の一方だ。最近では中国や北朝鮮から武器流入も激しく伸びている。まず武器輸出を止めないと、何ら状況は改善しないのではないだろうか。これがいちばん本質的な問題かもしれない。
あと、遺伝子組換作物の可能性についても懸念あり。現状では主にケミカルメーカがGMOを開発してて、それは自社の農薬に強い耐性を持つ品種。だからますます農薬の大量使用が奨励されるだけではないか?(著者は全く逆のコトを言っている)
第二世代GMOゴールデンライスなど期待される品種もあるが、GMO普及によりアフリカ人が数千年かけて築き上げてきた品種の多様性が崩壊→ちょっとした病気や異常気象の発生で壊滅的な大飢饉が発生する、などのリスクもあり得るのでは? このあたり勉強不足で何とも言えない。
【参考】 遺伝子組換作物 - Wikipedia