プライベート・ライアン ★★★★★

プライベート・ライアン [DVD]
パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン (2006-07-07)
売り上げランキング: 581
おすすめ度の平均: 4.5
5 戦争を否定も肯定もしない、リアルを極限まで表現しきった映画
3 テーマもしっかりしているし、言いたいことも分かる。ただ、冗長すぎる。
4 なんで現場に血が流れるんだ!!
2 個人の背景描写が足りない
5 戦争映画が好きな人は

  • 冒頭の30分間、オマハ・ビーチにおけるノルマンディー上陸作戦のシーンが凄まじすぎる。敵軍からの一斉機銃掃射の中、足が吹っ飛び、腹から内蔵ぶちまけながら母の名を呼ぶ兵士、ちぎれた自分の腕を抱えておろおろする兵士、赤く染まった海、、orz。ここまでリアルに戦争の地獄絵図を描いた映画が他にあるだろうか。。。
  • 上陸成功後、上官が肉の挟まったサンドイッチと赤い紅茶を食している姿を恨めしそうに眺めるミラー。敵兵の死体から取ったヒトラーユーゲントのナイフを手に「これでユダヤのパンを切ろう」とジョークをかました後に突然泣き出してしまうメッシュ。フランス人の子供を助けようとして狙撃されるカパーゾとその手紙。カパーゾの死を見て陰で号泣するウエイド。捕虜の処刑に反対していたのに、最後はあっさり独の投降兵を撃ち殺してしまう通訳兵アパム。長閑な田舎町で教師をしていたミラーを任務に忠実な殺人兵器と変えてしまう戦争。。。細かな演出が戦争の残酷さをありありと伝える。
  • 兄弟3人を亡くした1人の新兵の救出に、8人が命を賭ける、という馬鹿げた任務。そのために多くの人命が危険にさらされるという事は無視されるという矛盾と皮肉。軍上層部はメディア対策しか考えていない。兄弟を亡くそうが、なんだろうが、人の命の重さを比較することはできない。子供を何人亡くそうが、親の悲しみの大きさを比較することはできない。馬鹿野郎でクソったれの戦争。フーバー(FUBAR)とは「Fucked Up Beyond All Recognition」の略。「クソったれ、やってられっかよ」てな感じ。
  • この平和な日本。過去の戦争の記憶はすでに忘れ去られようとしている。軍事大国の中国・ロシア・米にはさまれ、隣国北朝鮮核兵器を持つに至っている。日本に再び黒い影が忍び寄ってきているいま、戦争の醜さ・おぞましさをいま一度思い出させてくれる貴重な映画。目を背けてはいけない。